事業性評価シートを徹底解説ー現状分析ー|事業性評価を用いた経営の黒字化支援③

この動画では事業性評価を用いた経営の黒字化支援として、弊社で用いている事業性評価シートについて、

全4節にわたりお話しします。

今回第3節では事業性評価シートの「現状分析」について記載の仕方をお話しします。

ビジネスにおいての「現状分析」とは何を言うのか

本題に入る前にビジネスにおいての「現状分析」とは何を言うのかを説明します。

ビジネスシーンにおける「現状分析」の目的は

①問題事項の素因を正しく把握すること

②問題解決に向けた行動や意思決定に反映することができる分析結果であること

が大切です。

逆に言えば「課題設定に至らず意思決定に反映されなければ、現状分析をしたことにはなりません。

従って、自社が同業界や地域においてどのような立ち位置にいるかを明確にすることが必要です。

この立ち位置の把握が間違っているといくら実行しても解決に至らない可能性があります。

とても大切なことですのでしっかり「現状分析」を行いましょう。

現状分析

弊社では、問題解決が必要な事項を14項目に設定し「自社にとっての強みと弱みにわける」ことで、問題解決に必要な課題抽出につなげていきます。

自社にとって「強み」と捉えることができる項目であるのか、逆に「弱み」となる項目であるのか、また「どちらにも該当しない」のかをっしっかりと考えて選択をします。

①「経営者の人脈やリーダーシップ」

取引先や従業員からの信頼性や新規の取引先開拓につながる人脈があるかまた、そのような関係性の人脈がないのかを検討します。

②「製品・商品・サービスの品質」

提供している「商品やサービス」について同業他社と比較した場合、品質面でどのような優位性または劣位性があるのかを検討します。

③「製品・商品・サービスの価格競争力」

同業他社と比較して価格面での優位性について検討します。

④「製品・商品・サービスの提供スピード」

受注から納品までの期間について顧客が望むスピードで提供できているか、また同業他社と比較しての優位性の有無はどうかを判断します。

⑤「人材(採用・育成)、組織力、事業承継、ダイバーシティ」

人材の採用状況や育成について方針やルールが明確か、組織として活動できているか、また事業の承継についての方向性は示されているか、

さらに人材の多様性を確保し適材適所で実力を発揮できる体制が出来ているかを検討します。

⑥「設備(ICT、IoT含む)」

製造機械等の設備やパソコン等の情報通信関係設備において、各設備が適切に更新をされているかなどを基準として判断します。

⑦「財務会計(収益性、効率性、安全性、生産性)」

自己資本比率や売上高の前年対比、また流動比率等の分析値が同業他社と対比して棄損していないかなどを基準として判断します。

⑧「製品、商品、サービスの開発力」

販売する商品やサービスを自社で開発し、提供することに対する取り組みは行っているか

例えば、ケーキやパンの製造販売を行っている会社の場合は、その新商品の評判はどうか

また、工場内備品等の製造販売を行っている場合、常に顧客の意見を取り入れた開発を進めているかなどを検討します。

 

⑨「営業、販路開拓、マーケティング力」

新規営業への取組方やその結果、また常に最新のトレンドを取り入れているかなどを基準として判断します。

⑩「取引先との協力関係」

企業との取引の場合、その取引の期間や人間関係が良好であるか、

また提供している商品やサービスについて恒常的に満足感を与えていることを確認しているかなどを基準として判断します。

⑪「知的財産権(特許、実用新案、商標、意匠等)」

自社が開発した商品やサービス等について、特許等の知的財産権を有しているものがあるか、

またそのような取り組みを継続的に行っているかを基準として判断します。

⑫「海外進出」

海外に製造工場があるなど、積極的に世界との取引を行っているか、

また直接輸入または輸出するなどの商品等を取り扱っているかを判断基準とします。

⑬「ワークライフバランス、テレワーク」

休日出勤や残業などが多すぎないか、コロナ禍で注目を集めているテレワークを積極的に取り入れているかを基準として判断します。

⑭「その他(6次産業化、産学連携、農商工連携等)」

農業や漁業等を行っている場合、その農作物等について加工や販売まで行っているか、

商品やサービス等を開発するにあたり、大学などと連携して行っているか

また商工業者が農水業者と連携して事業の開発を行うことを支援する事業についての取組を行っているかなどを基準として判断します。

 

これらの項目を基準として同業他社と比較した場合に「強み、優位」となるのか、逆に「弱み、問題」となるのかを判断し、記載します。

また現在の企業活動を取り巻く外部環境を考慮した場合、同業界にもたらす影響や方向性をどの様に判断しているかを記載しましょう。

今回のまとめと次回目次

今回第3節では、事業性評価シートの現状分析についてお話ししました。

次回第4節では、今後の行動や展開・将来性の記載の仕方をお話ししますので、ぜひ視聴下さい。