では本題の賃上げ税制のポイントについてお話します。
この度の改正により、適用期限が1年延長され、これまでの賃上げ要件①の「雇用者全体の給与総額を前年度比で1.5%以上増加すると給与増加額の15%を税額控除できる要件」をそのままに、
新たに要件②の「雇用者全体の給与総額を前年度比で2.5%以上増加すると給与増加額の30%を税額控除できる要件」が追加されました。
雇用者には、パート・アルバイトなどを含む既存の従業員だけでなく、新規採用の従業員も含まれます。
賞与を含む給与増加額は、制度を適用する年度の雇用者給与等支給額から前年度の雇用者給与等支給額を控除した額になります。
また、①②の賃上げ要件に加えて、教育訓練費を前年度比で10%以上増加すると税額控除率を10%上乗せする要件③があります。
教育訓練費とは、所得の金額の計算上損金の額に算入される、国内雇用者の職務に必要な技術又は知識の習得、又は向上させるために支出する費用で一定のものを指します。
これにより、前年度比2.5%以上の賃上げと教育訓練費の前年度比10%以上増加で、税額控除率は最大40%になります。
ただし、税額控除は法人税額の20%が上限という点は注意してください。
なお、この改正は、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。