では、3つに区分されている「キャッシュフロー計算書」を順番に見ていきましょう。
1つ目は「営業活動によるキャッシュフロー」です。
この区分で表現されるキャッシュフローは、本業でどれだけ「お金」が生み出されているかであり、最も重要な区分となります。
健全な経営であればプラスになりますが、もしマイナスであれば、現在の事業環境における営業活動では「お金」を生み出す能力が無いことを示しています。
「営業活動によるキャッシュフロー」がマイナスの状態が長期間継続している場合は、経営そのものがうまくいっていない証拠となり、
事業の撤退を含めて、抜本的な対策が必要となります。
記載されている内容としては、当期純利益をスタートとして、「支出を伴わない費用の加算」「収入を伴わない収益の減算」
「営業活動に関連して生ずる流動資産や流動負債の増減額の調整」を集計します。
「小計欄」はおおむね営業損益計算の取引にかかるキャッシュフローの集計となっています。
その下の欄に表示されている「利息の受取額・支払額」は、投資活動や財務活動にも影響を受けるものであり、
また「法人税等の支払額」は経営全体に影響を受ける支出を加減したものが、「営業活動によるキャッシュフロー」となります。