キャッシュ・フロー計算書とは?|放っておくとマズい!勘定合って銭足らず【2】

この動画では、キャッシュ・フロー経営という観点から現状の経営課題を見直し、活用できる内容についてパートを8回に分けてご案内します。
前回パート1ではキャッシュフローの概要を説明をしました。 その中で作成される資料として「キャッシュフロー計算書」があります。 
今回パート2では「キャッシュフロー経営」に必要な計算書である「キャッシュフロー計算書」について解説します。

3つに区分されるキャッシュ・フロー

「キャッシュフロー計算書」には間接法と直接法があります。 
それぞれの違いについての説明は省きますが、今回の動画では一般的によく使用される間接法に沿って解説をしていきます。
 「キャッシュフロー計算書」とは貸借対照表と損益計算書から作成し、「一定期間における利益」と「資金の増減(いわゆるキャッシュフロー)」をつなげる計算書となっています。 
「キャッシュフロー計算書」を作成することにより、現状の資金の流れを把握し、近い将来の資金繰りの予測や長期的な投資や返済計画の策定に役立てることができます。 
まずはキャッシュフロー計算書がどのように構成されているかを確認していきます。 
「キャッシュフロー計算書」は「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」 の3つに区分して表示します。 
そしてその3つに経営活動で生み出された結果としての「お金(キャッシュ)の残高が表示されることになります。

営業活動によるキャッシュ・フロー

では、3つに区分されている「キャッシュフロー計算書」を順番に見ていきましょう。 
1つ目は「営業活動によるキャッシュフロー」です。 この区分で表現されるキャッシュフローは、本業でどれだけ「お金」が生み出されているかであり、最も重要な区分となります。 
健全な経営であればプラスになりますが、もしマイナスであれば、現在の事業環境における営業活動では「お金」を生み出す能力が無いことを示しています。 
「営業活動によるキャッシュフロー」がマイナスの状態が長期間継続している場合は、経営そのものがうまくいっていない証拠となり、 事業の撤退を含めて、抜本的な対策が必要となります。 
記載されている内容としては、当期純利益をスタートとして、「支出を伴わない費用の加算」「収入を伴わない収益の減算」 「営業活動に関連して生ずる流動資産や流動負債の増減額の調整」を集計します。 
「小計欄」はおおむね営業損益計算の取引にかかるキャッシュフローの集計となっています。 
その下の欄に表示されている「利息の受取額・支払額」は、投資活動や財務活動にも影響を受けるものであり、 また「法人税等の支払額」は経営全体に影響を受ける支出を加減したものが、「営業活動によるキャッシュフロー」となります。

投資活動によるキャッシュ・フロー

続いて2つ目の区分は「投資活動によるキャッシュフロー」です。 
投資活動とは、固定資産や有価証券等の購入や売買を言います。 
企業の将来のために、どの様なものにどれだけ資金を投下しているか、あるいは過去に行われた投資活動の内容を知ることができます。 
本業が順調な企業ほど、積極的に固定資産等への設備投資や有価証券等への投資を行う傾向があります。

財務活動によるキャッシュ・フロー

3つ目の区分は「財務活動によるキャッシュフロー」です。 
財務活動とは、銀行などからの資金調達に関する活動です。 
営業活動や投資活動によって「お金」が不足した場合、銀行などからの借入金で「お金」を補填します。 その後には借り入れた「お金」の返済を「営業活動や投資活動」によって得た「お金」によって、支出していきます。 
ここでの活動は基本的には「利益」に影響することは無く、「お金」の増減のみに影響するものとなります。

キャッシュの残高

この3つの各区分の「お金(キャッシュ)」の増減を集計し、期首の「お金(キャッシュ)」の残高を足したものが、期末の「お金(キャッシュ)」となります。 
この期末の「お金(キャッシュ)」は翌期の期首残高として、翌期の経営の原資となります。

経営改善計画書のサンプル

「キャッシュフロー計算書」は銀行への返済条件変更(リスケジュール)の依頼をするときにも活用されます。 
銀行への条件変更時に、会計事務所などの認定支援機関が策定を支援する「経営改善計画書」策定時には、 計画に沿った数年間の「貸借対照表」「損益計算書」だけでなく、必ず「キャッシュフロー計算書」の策定を求められます。

まとめ

キャッシュ・フロー計算書とは経営者が「お金の流れ」を把握するためのもの 

今回パート2では、キャッシュ・フロー計算書についてお話ししました。 
次回パート3では、キャッシュ・フロー計算書の読み取り方についてお話ししますので、ぜひ視聴下さい。