事業再構築補助金③|経営資源の集約化と設備投資を促す税制について

この動画では、コロナ禍における設備投資等を行う事業者への事業再構築補助金や税金が優遇される措置ついて、全6節を3回に分けてご案内しています。今回最終回となる第3回目は、事業再構築などを行う事業者に対して税金が優遇される措置ついて、経営資源の集約化に資する税制と設備投資を促す税制をお話します。

経営資源の集約化に資する税制

この税制は、経営資源の集約化によって生産性向上などを目指す計画の認定を受けた中小企業が、計画に基づいてM&Aを実施した場合に、準備金の積立、設備投資減税、雇用を促す税制の3つの措置を受けることができます。これらの措置により、中小企業のM&Aを促進することを目的としています。
M&A実施後に発生し得る簿外債務などのリスクに備えるため、5年間の据置期間付で準備金を積立てたときは、その積立に対して損金算入が認められるものとなります。また、積立金として損金算入できるのはM&A実施時の投資額の70%以下の金額となっています。なお、5年間の据置期間とは、準備金積立後に簿外債務などが発覚した場合に準備金を取り崩せる期間であり、その期間で取崩しがなければ、据置期間終了後に5年かけて均等に積立金を取り崩します。
M&Aの効果を高める設備投資を行った場合に投資額の10%を税額控除または全額即時償却のどちらかを適用できるものとなります。具体的な取り組み例として、自社と取得した技術を組み合わせた新製品を製造する設備投資や原材料の仕入れ・製品販売に係る共通システムの導入があげられます。なお、全額即時償却とは、通常設備などの固定資産は取得額を数年に分けて経費に計上しなければなりませんが、取得した期に取得額全額を経費に計上できるのが、この全額即時償却となります。10%を税額控除または全額即時償却のどちらかを適用するかは、今後の業績などを踏まえて検討する必要があります。また、資本金3,000万円超の中小企業の場合は税額控除が7%となります。
M&Aに伴って行われる人員の採用などの労働移転によって給与等支給額を前年比で1.5%以上引き上げた場合、給与等支給額の増加額の15%を税額控除できるものとなります。さらに給料等支給額を前年比で2.5以上引き上げた場合は、25%の税額控除となります。たとえば、M&Aで取得した販路で更なる販売促進を行うために必要な人員を確保したことにより、前年の給与等支給額4,000万円から当年に4,400万円へ増加した場合、10%増加したため要件を満たしており、増加額400万円の25%となる100万円が税額控除の金額となります。

様々な設備投資を促す税制

設備投資の関連ですでにある税制の延長や拡充がメインとなっています。
中小企業経営強化税制
この税制は、中小企業の稼ぐ力を向上させる取り組みを支援することが目的であり、中小企業等の経営強化法の認定を受けた計画に基づく投資について、即時償却又は10%の税額控除のいずれかを適用できるものとなっています。この度、当税制の適用期限が2年間延長となり、利便性を向上させるため、計画の認定手続きが柔軟化されています。

中小企業投資促進税制
この税制は、中小企業における生産性向上等を図るため、一定の設備投資を行った場合に、30%の特別償却又は7%の税額控除のいずれかを適用できるものとなっています。こちらは計画の認定を受ける必要はありません。ただし、資本金3,000万円を超える中小企業は7%の税額控除が適用できないので、注意が必要です。なお、30%の特別償却とは、取得した期に取得額の最大30%を償却費として経費に計上できるものとなります。この度、当税制の適用期限が2年間延長となり、商業やサービス業など対象となる業種が追加されています。

今回のまとめと次回目次

これまで第3回にわたり、コロナ禍における設備投資等を行う事業者への事業再構築補助金や税金が優遇される措置ついて、 ご案内してきました。コロナ禍において経営が苦しくなっている事業者の方は多いと思われます。弊社としては補助金やその他役立つ情報を発信できればと考えております。また、弊社は支援機関として認定を受けていますので、計画策定などのご相談もお問合せ下さい。「みどり経営グループ」はこれからも皆様の事業の永続的な発展を応援します。「コロナ禍における事業再構築支援」についての動画は以上となりますが、その他、経営にかかわる動画をアップしていきますので、是非ご視聴お願いします。